自分の部屋では勉強しない

大阪大学の話の中で出た、スチューデントコモンズとラーニングコモンズについて調べてみました。

・ラーニング・コモンズについて

下記の論文をまとめると

o CA1603 - インフォメーション・コモンズからラーニング・コモンズへ:大学図書館におけるネット世代の学習支援 / 米澤誠 | カレントアウェアネス・ポータル

近年の情報化の流れから、パソコンやインターネット等も提供し、情報の結節点を目指しているのが、インフォメーション・コモンズ。
一方で、情報環境の整備されたことで、部屋で一人作業するようになったために、人が集まって情報を共有する場を目指しているのがラーニング・コモンズと言えるだろうか。

「インフォメーション・コモンズからラーニング・コモンズへの転換は,学部教育の新たなパラダイム転換,すなわち学習理論が『知識の伝達』から『知識の創出・自主的学習』に移行したことを反映したものである」図書館は,授業で教員から教わるといった知識の理解を深めるための場所・資料を提供するだけでは不十分となっている。学生が自主的に問題解決を行い,自分の知見を加えて発信するという学習活動全般を支援するための施設とサービス・資料を提供する必要があるということなのである。


とのとおり、大学のあり方自体のパラダイムシフトが起きているといえる。グローバルに起こったIT化の結果、情報の価値自体が下がり、情報・知識の伝達よりも、情報の編集・発信・創造がより重要になってきている。この世界的パラダイムシフトに対応する形で、大学での教育も見直しが始まっているのだろう。その一例として、情報を集める図書館から、情報をみんなで集まって、共有し編集する場所となる図書館に移りつつあるということだろう。

論文では下記のような施設が提案されている。

・移動可能なパーティションなどによるフレキシブルな空間
・グループ学習室,グループ・ワークステーション,プレゼンテーション室などの共同作業向きの場所
・カフェやラウンジなどの社交的な施設


広島大学の図書館は1993年に出来たことから、情報機器の充実はかなり図られており、情報機器の操作方法を伝達する人もいるが、

お茶の水大学にもラーニングコモンズを意図した図書館があるらしいが、HPを見る限り、そこまでコモンズ形成に重きは置いていない。
かたつむりは電子図書館の夢をみるか
お茶の水大学のコモンズ形成はGPで行われているカフェのプロジェクトの方に中心がありそうだ。


昨日の大阪大学の取り組みは、よりラーニングコモンズに近くなっている。
耐震・改修工事後の豊中本館のラーニングコモンズについて[http://suita.library.osaka-u.ac.jp/construction08_09.html:title=
吹田分館]

ただし、こうした取り組みも、作るだけではだめだろうと思う。
論文で出てきた大学の例でも

ラーニング・コモンズには,技術支援デスク,レファレンス・研究支援デスクなどのサービスポイントが設置されているほか,学内の他組織との連携により,学習上・就職上の指導・アドバイスを行うコーナーやライティング指導コーナーも併設し,多岐にわたる学生の学習支援活動を行っている。

こうした、学習支援の取り組みを行っており、学習支援に必要な条件として、会話が普通に出来、パソコンが使え、飲食可能で人が集まれる図書館を作ったということだろう。ある意味、図書館以外にこうした情報環境が整った会議スペースが自由に使えればまったく問題ないとも言える。イギリスの例でも図書館に併設してコモンズを作るという例でしたから。

スチューデントコモンズについては、ネットですぐに引っかからず・・・。
グーグルさん頼みは弱い。。。。

という訳で、こういう施設いや、環境が欲しいのです。