親になって分かったアトピーのこと

前回の日記から、さらに1年半。

また新たな転機を迎えています。
その一つ前に迎えた危機的状況を乗り越えたので、ここに記憶することにします。


去年の夏、しばらく前から自分自身のアトピーが再発し、生活が危機的状況にありました。アトピーの痒みがひどい時には、本当に何も考えられなくなるし、つい子供にもきつくあったしまうこともありました。育児ノイローゼになる母親と同じように、子供とふたりきりの時に、やらなくちゃいけないことと、できない状況に追い詰められるとそうなってしまう。振り返っても、どうしようもなかったというしかない。そこから、ようやく、アトピーとの付き合いかたを見つけて、自分自身のゆとりを取り戻し、多少なりともまともな生活を取り戻すことができた。


今回、アトピーを治すのにあたって、とても久しぶりに普通の皮膚科に行った。実は2年ほど前も行ったことはあるのだが、尊大な先生で、いうことを聞く気になれず、薬ももらわずに帰った。先日行った先生は言っていることはまともだし、少しはアドバイスももらえたので、ちゃんと指示通りにステロイド系の薬を塗って、治療に励んでいる。

これまで普通の医者に行っていなかったのは、ステロイドを使いたくなかったから。それまでは、丹羽先生というアトピー治療で、「ある意味有名」な先生の治療にかかっていた。「ある意味有名」という理由は下の2つのページを見ればわかるだろう。

一つはアトピー症法の悪徳医として、もうひとつはアトピーの体質改善をしてくれた善意の医者として紹介されています。私にとってどういう先生かと言われれば、アトピーに対する考え方を教えてくれた先生といったところでしょうか。


そんな先生の影響を受けながら、他にも低血糖症の本を読んで、生活改善を試みたり、サプリメントを飲んでみたり、将亦、運動してみたり、少しでも改善できないか色々試してきました。

まわり回って、普通の皮膚科に戻ってきたわけなので、結局それかい!と思われるかもしれません。でも、実際にはこれだけ回り道をして色々試して、ようやく普通の医者にかかれば治るレベルまで来たというのが実感だ。これまで試したり、経験したこと、それがようやくまとまったからこそ治せる。そう思えるようになりました。アトピーの原因は一言で語れないほどに多く、本当に様々な要因が絡まり合っているとしかいえない。治す方法は本当に人それぞれで、複雑な道のりです。私の場合がようやく道筋が見えたかな。という実感があったので、今日ここにまとめることにしました。


治すと言っても、実際には完治するわけではなく、自分の体と付き合っていく道筋を見つけただけのこと。本当に個人的なケースでしかない。別にだれが見るわけでもないが、見た人にとってヒントになれば幸いだし、アトピーに対して理解してもらえば、嬉しい。アトピーは人の成長過程に大きな痕跡を残す病気でもあるからだ。





アトピーが出始めたのは、生まれて3ヶ月のころから。聞くところによると、卵、大豆、小麦粉、牛乳、鶏肉でアトピーの症状が出るため、かなり食べれないものが多くて、特に卵と小麦粉は小学校まで、ほぼ食べす、それ以後もかなり控えていた。母親がいうには、生まれてすぐに、母乳じゃなくてミルクだったのが原因だとのこと。それから卵は良い卵じゃないとだめと強く言われた。

物心ついたころには、痒みがあるのが当たり前で、腕や足の関節、首周りなど、常に荒れていたように覚えている。幸いにも喘息や他の症状はなかった。辛いのは時折起こる発作的な痒み。掻きたいという欲求と、掻いちゃだめという意識の葛藤に陥って、引き裂かれるように辛い。あの状況はきっと麻薬中毒患者の発作状況にかなり近いと思う。実際に痒みを掻いた時や、熱いシャワーで流した時には、他では得難い快感を感じる。ようやく治ったかなと思えたは、26歳のころ。実感したきっかけはシャンプーを変えたことだった。

それは、いろいろと良い状況が揃ったからなのだろう。卵や小麦粉を少し食べただけでは発症しないが、動物に触ったり、ホコリを被って仕事したりするうと今でもすぐに痒くなってしまう。これはもうずっと付き合うしかない症状だろう。

去年の夏に再発したのは、主には夏のあせもが原因だが他にも要因がある。遠因は仕事は忙しくなったことに加えて、子供を送り迎えする共働き生活が始まったことだ。生活状況が変わると、体のメンテナンスに時間が取れない。ちょっとしたことでストレスを感じる。忙しくてご飯の時間が取れずに、栄養状態が偏ってしまう。それを埋めるようにたまの暴飲暴食をする。たったそれだけのことで、アトピー発症しやすい状況になってしまったようだ。


親になって分かったのは、アトピーは皮膚病だけど皮膚が原因じゃないこと、そして医者からすぐに解決方法を聞けないからこそ苦しむ病気なのだと改めて実感したからだ。

親になって、子供の病気とはしょっちゅうお付き合いしているが、すべてが初めての体験で、とりあえず医者に行って聞いてみるところから始まる。そして医者以外の信頼できる情報というのは殆ど無い。もちろんネットでも情報は収集できるが、症状から自分の子供の病気を判断することは普通はできない。だから、医者のいうことがまず正しいと思って、行動する。でもアトピーは治らない。
なぜなら、皮膚科に行って言い渡されるのは、湿疹が出ているので、ステロイドで痒みを止めて、皮膚を保護しましょうだけだからだ。
アトピーアトピー専門医がいるほどに、複雑な病気なのだと思っている。最低限、食物アレルギーなら、血液検査して特定ができたりするが普通は1回目で進められることはない。

そして、ここからは想像だけども、湿疹がでる。→ステロイドを渡される→治らない。→もっとしっかり塗ってと言われる→それでも治らない。→お医者さんへの不信。ここに至る。そして自力で治すための方法を探して行くことになる。
ステロイドを渡されて何を言われるかといえば、「一日3回、入浴後にはきっちり幹部に塗ってください。」塗り方指導をしてくれるところもあるが、普通は薬を渡されて終了。そんな雑な治療で治るわけがない。というより、共働きの家庭で子供一人に1回30分かけて薬塗る時間なんてないさ。暴れたり、嫌がったりする子供に無理やり3回とか苦行すぎる。まじで。

よくあるアトピーの子供を持った親が、空気の良い田舎に引っ越して治ったという事例の要因は、
空気よりも子供のために使える時間が確保できるたことなんじゃないだろうか。
それには地元の野菜で作った料理を作る時間や、余計な人付き合いで親にかかるストレスも要因の一つだろう。


例えば、自分が気をつけているポイントは下記の通り。

  • 炭水化物より野菜やタンパク質を取る。特に質の悪い小麦はタブー。
  • こまめに爪を切る(爪が伸びると掻いた時に皮膚が傷つきやすくなるから)
  • シャンプーは天然成分のものを。やはりラウリル硫酸ナトリウムは肌に悪い。
  • 汗をかいた後はなるべく早く、シャワーを浴びる。特に夏序盤のころは皮膚に冬の皮脂が溜まっているので念入りに。
  • 動物を触った手で、自分の体を触らない。
  • 暫く使っていなかった服を着るときは一度、洗濯をしてから。
  • 体を洗うと皮膚が傷つくので、タモリ式の入浴方法
  • 風呂あがりには保湿剤を塗る。


もし自分が親だとして、子供にこのような行為を徹底させることができるだろうか?
しかもまったく原因がわかっていない段階から。
これは自分が生活の上で、試して効果の会ったものを残していった結果ようやく辿り着いたもの。
そんな境地にどうやってたどり着けばいいのかと。つくづくそう思う。


ただ、こうしてできた生活の知恵と言うものが自然と根付くようになっていけば、
これからのアトピーへの考え方も生活習慣で防ぐものに変わっていくかもしれない。
例えば、シャンプーの例や風呂の考え方なんて、
そもそも毎日風呂に入れるようになったのはつい最近なのだし、
習慣が変わった時にだけ、発症する病気もあるということなのだろう。


まぁそんな中、自分の親はよく苦労して育ててくれたんだなとも思う。
上の子は今のところアトピーはないが、最近生まれた下の子は男の子なので、ちょっとアトピーの傾向が見て取れる。
今度は親として、子供のアトピーに関わる必要があるかもしれない。その時は、自分の教訓をしっかり活かして立ち向かいたい。
もちろんそもそも発症しないことが一番なので、そうなることを祈っている。