NHKの爆笑問題の番組が面白い。
学者の忘年会みたいな感じがいい。
まぁ男同士が集まったらこんな頭でっかちな話になるんだよな。それが面白いんだけども。野矢さんっていう哲学の先生が好きだね。最後には大田に矛盾を指摘されて、ジレンマを抱え込んでしまったけれども。

「無駄」の重要性を訴えた時点で無駄が存在価値を持って、無駄でなくなってしまう。

「休む」という行為をするために休む行動を取るのは、ホントの休みではないってなみたいで。

この言説自体にジレンマを抱えてるわけだが、それでも先生の言いたいことはすごい解る。引きこもりを認めるれば引きこもりが治るっていう斉藤環の発言も同じ主意だろう。
「人が存在していること自体を認めることが、必要だ」みたいにまとめれなくは無いんだけど、それは少し筋違いかもしれない。これがベーシックインカムの理由になってることだけど、それを認めてくれない人が多いんだと思うよね。

今までの人の存在価値の理由って、「明らかにその人に何ができるか」であって、何もできない人は必要ないということだった。会社にとって必要なのは仕事のできる人であって、仕事のできない人は必要ない。そして、会社以外に社会が無ければその人の存在価値を認める場はなくなってしまう。だから会社人間は仕事のできる人が作る社会の中で生きていて、その社会から追い出され(定年とかリストラ)てしまっ途端に存在価値が無くなってしまう。

それが世知辛い世の中と言われる原因じゃないのかな。存在価値の無い人間(仕事のできない人間)に生きている価値はない。ゆえに人に認められる自分の価値を常に作り続けなければいけない。常に努力を強いられているから、大変で世知辛いのだと。


もうひとつ、この番組の中で印象に残ったのは、やはり野矢先生の「不安も希望も根は同じで、未来の何が起こるかわからない部分を、どう捉えるかだけの違いだ」という言葉だ。今の生活とは違う何かが起こることを肯定的に捉えられるなら、それは希望だし、否定的にしか捉えられないならそれは不安だ。ということ。今までの心理学で習った不安の解釈よりもずっとわかりやすい。

「生きてりゃきっと良いことあるさ。」


そんな台詞を心のそこから言って聞かせれる人はいるんだろうかね?


もし俺がそう言われたら、すぐにこう問い返したくなるね「良いことってなに?」って。